新興貨物線跡をゆく

かつて日本全国の臨海部には、貨物線が多く張り巡らされていました。

しかしながら鉄道輸送の衰退に伴い、多くの貨物線が廃止においこまれました。

 

そのなかで神奈川の川崎・横浜界隈の臨海部も日本最大の京浜工業地帯ということもあり、多くの貨物線が存在していました。

まだ、川崎、横浜界隈は神奈川臨海鉄道によって運営されている線を中心に現役のものも多く存在しますが、その中でかつて、東海道線の貨物支線、通称高島線の新興駅(旧入江駅)から分岐していく通称新興線と呼ばれた貨物線が存在しました。

 

この貨物線に興味を持ったのは15年くらい前で、たまたま専用線についてまとめていたサイトを見たのがきっかけでした。

(「新興線」と検索するとWikipediaの次くらいに出てくるサイトです。)

 

そこで、この興味を持った新興線を訪問してみたいと思い最初に訪れたのは2006年でした。

この頃は大学生でまだ車の免許を持っていなかったので、電車とバスと徒歩で探索をしました。

この頃はすでに新興線は廃止されていましたが、設備は残っている状態でした。

 

そして時がたって14年、2020年に再訪しました。

2020年は免許も車も持っていたので、車で訪問しました。正直14年前と比べて訪問が楽でした。

2020年になると設備はだいぶ撤去されており、痕跡が分からないところもありました。一部は遊歩道にもなっていました。

 

前置きが長くなりましたが、2006年と2020年でこの新興線の変化を見ていきたいと思います。

下に地図を貼ります。

地図中の番号は、後から出てくる写真の撮影場所になります。

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まずは、①アングル、高島線から分岐する新興線付近です。

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①2006年

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①2020年


2006年は線路が残っていますが、2020年は線路が完全に撤去され、京急バスの車庫になっていました。2020年の写真では緩やかなカーブを描くガードレールとその横の緑地帯が名残ですね。

 

次に②アングル安田倉庫前です。

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②2006年

このアングルは2006年しかありません。

というのも2020年訪問時は警備員さんが見ており、写真を撮れる状況ではありませんでした。

2006年は線路も踏切も残っていますが、2020年訪問時は撤去されていました。

 

次に③アングル 安田倉庫から運河訪問を見た写真です。

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③2006年

これも②同様監視の目があり2020年は写真が撮れませんでした。

ただ2020年時点でもこの先は線路が残っていました。

 

次に④アングル運河にかかる橋梁です。

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④2006年

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④2020年

ここはそのまま残っています。

 

次に恵比須歩道橋のところです。

方向を変えたアングル⑤~⑧一気にいきたいと思います。

 

まずは⑤アングルの歩道橋側を見た写真です。

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⑤2006年

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⑤2020年

歩道橋は変わっていませんね。

信号機は今流行の薄型LED信号に変わっています。

交差点手前にあった踏切は完全に撤去されています。

 

次に⑥アングルです。

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⑥2006年

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⑥2020年

線路跡は遊歩道になっていました。

ちなみに線路右のレンタルボックスは変わらず有りますね。

 

次に反対側の⑦アングル

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⑦2006年

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⑦2020年

なんとセブンイレブンができていました。

後ろを走る配管は変わりませんね。

 

最後の⑧アングル。歩道橋の上からです。

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⑧2006年

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⑧2020年

次に⑨アングルです。このアングルは2006年は撮影していません。

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⑨2020年

線路跡は「貨物線の森緑道」という遊歩道に整備されています。

 

次に⑩アングルの運河にかかる橋梁です。

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⑩2006年

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⑩2020年

2006年と2020年で撮影方向が逆ですが、橋梁は撤去されずに残っています。

 

次に⑪アングル日産前付近です。

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⑪2006年

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⑪2020年

踏切などの設備は撤去され遊歩道になっています。

最後に⑫アングル新興駅交差点付近にある「新興駅」バス停

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⑫2006年

この辺りにはかつて新興駅がありました。

ちなみに高島線から分岐するところも入江駅から新興駅に改名しているので、紛らわしいですね。

2006年時点ではすでに駅はありませんが、交差点もバス停も「新興駅」になっています。

写真は撮っていませんが、2020年時点でも「新興駅前」でした。

 

今回簡単ではありますが、新興線を再訪したので、それについて書いてみました。

新興線、今回訪問したところ以外にも、たくさんの線路が張り巡らされていましたが、ほとんど痕跡がない状態となってします。

 

最初の訪問から14年後の2020年に再訪しましたが、ここからまた何十年後かに訪問したら、大きく変わっていてこの2020年の訪問も懐かしく感じられるのでしょうか。

そのときには、もっと痕跡がなくなっているのでしょうか。

ぜひとも貨物線が通っていた証拠として、少しでも残してもらえていたら嬉しいです。